iPhone4にテレビ電話は成功するか?

厚さ9.3ミリ、高精細ディスプレイ搭載の「iPhone 4」発表 - ITmedia Mobile


iPhone4が発表された。
ディスプレイが高解像度できれいになったり、マルチタスクに対応したり、薄くなったりと、先代iPhon3GSよりさらに魅力が増したように思う。欲しくなったっていうひとも多いんじゃないかな。

が、ひとつだけ変なのが…、いまさらテレビ電話機能(FaceTime)が搭載されていること。

日本のケータイにはテレビ電話機能なんてずいぶん前から搭載されてる。そして、だれもその機能を使ってない。
なんでappleはいまさらそんな機能を、最先端のデバイスに搭載してきたのだろうか。

日本のケータイにテレビ電話機能がついてるのはなぜか

これはたぶん日本のメーカーが「まず技術ありき」でものを作ってるからじゃないかと思う。
「無線で動画をリアルタイムに通信する技術」がまずあって、それをケータイに乗せることが目的になってた。で、あとからその技術の使い道として「テレビ電話機能」を考えたのではないか。だから、その機能を何に使えば便利なのかよく分からないのですよ。「テレビ電話ができるよ」「ふーん、すごいね。それで?」ってなっておしまい。
ユーザーの方を向いてない、というか、商品のコンセプトがよく分からない。テレビ電話機能でユーザーに何の価値を提供したいのかがいまいち見えてこない。でも技術を乗せることが目的だから、コンセプトとかあまり気にしない。


こういう例は他にもある。

たとえば解像度だけ高いケータイのディスプレイ。「高解像度のケータイ用液晶ディスプレイ」という技術がまずあって、とりあえずそれをケータイに乗っけた。でも、使い道がいまいち見えてないしコンセプトも不明確。だから、解像度高いディスプレイなのにフォントがそれに追いついてなくて、やたらでかい文字で表示したり、カクカクした汚いフォントのままだったりする。
コンセプトが不明確だから、全体としてみたときにどうもちぐはぐで、バランス悪いことこの上ない。


こんな感じで「何がしたいかよく分からない」みたいな商品がときどき出てくる。いろんな技術が統一感も無いままにいっぱい搭載されて、「ガラパゴスケータイ」みたいなこと言われちゃう。
まあ、日本メーカーの製品全部がそうだってわけじゃないけども。

appleだったら

appleのやり方はたぶん、こういう日本のメーカーのやり方とまったく違う。こちらはまず明確なコンセプトがあって、それを実現させるために機能を搭載してきてる。
たとえばiPhoneは「直感的でストレスの無いユーザーインターフェース」をコンセプトにしてる、と思う。
で、それを実現させるために指2本使えるタッチパネルとか、高解像度のディスプレイ+きれいなフォントとか、滑らかに動くスクロールとか、高速なCPUとか、そういう技術を搭載してる。
だから、全体としてみたときに機能にまとまりがあるというか、一つの目的のために作り上げられてる感じがする。そのへんがiPhoneの魅力につながってるように思う。


と、考えた時に、iPhoneにテレビ電話ってなんでだろう?と思うのですよ。
どういうコンセプトなのか?どんなユーザー価値を提供してくれるのか?
正直いまいち分からないけれど、appleのことだから何か考えがあるのかもしれないなーという期待感はある。日本メーカーはテレビ電話で失敗したけれど、appleは何かやらかしてくれるかもしれない。


続き:iPhone4のテレビ電話のコンセプト? - あんだあどらいぶ



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