プラズマ陣営ががんばってる

「2008 International CES」でプラズマテレビに関する新技術の発表が盛んに行われている。いろいろなところで記事になっているので、簡単にまとめてみる。詳細はリンク先の各記事を参照のこと。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080108/ces09.htm
象も原寸大? パナソニックが世界最大150型PDPを披露 (1/2) - ITmedia NEWS
もう1つの“1.5インチ” 日立が超薄型50型PDPを公開 - ITmedia NEWS
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080108/ces11.htm
パイオニアブースで“真っ黒”を鑑賞した - ITmedia NEWS
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080108/dg92.htm


イオニアは予備放電なしの超高コントラストPDP、厚さ9mmの超薄型PDP(最厚部は約24mm)。
パナソニックは4k2k解像度の150インチPDP、厚さ24.7mmの超薄型PDP、発光効率が従来比2倍のPDP
日立は厚さ1.5インチ(約3.81cm)の超薄型PDP



各社とも超薄型のPDPのプロトタイプを用意している。液晶が先行して超薄型化を始めたが、PDPでも超薄型は可能だということをプラズマメーカーがこぞって示した形。

3社の超薄型プラズマを比較してみると以下の通り

メーカー サイズ 最薄部 最厚部 重さ パネル解像度 チューナー
イオニア 50型 9mm 約24mm 18.6kg 1920x1080 外付け
パナソニック 50型 24.7mm 24.7mm 22kg 1920x1080 内蔵
日立 50型 約35mm? 約35mm 不明 1280x1080 外付け

まだどれもプロトタイプということで比較してもあまり意味はないかも。厚さと重さの数値は記事によっていろいろ違う場合があって正確ではないかもしれない。
薄さはパイオニアがトップ。重さもパイオニアがいちばん軽いようだが、チューナー有り無しなどの違いもあるので単純比較はできない。
パナソニックだけはチューナー内蔵。内蔵でこの薄さなのは驚き。
日立だけは解像度がフルHDじゃない。壁ピタ設置もまだ無理といわれていることから、放熱で苦労しているのかも知れない。

どうやって超薄型化を実現したのか具体的なことは分からないが、各社とも「発光効率の向上」を理由のひとつに挙げている。やはり発光効率を向上させることで消費電力を減らし、発熱を抑えることが超薄型のために必要な要素なのだと思われる。


注目なのは、パイオニアの「予備放電ゼロ」とパナソニックの「従来比2倍の発光効率」。
予備放電ゼロになれば「完全な黒」が実現できるため、暗所コントラスト性能に関してはこれで完成といえる。
また発光効率が従来の2倍になるということは、従来と同じ輝度なら消費電力を半分にできるし、従来と同じ電力にすればピーク輝度を高めることができる。プラズマの弱点といわれている消費電力と輝度が克服される可能性がある。

これらの技術を両方組み合わせたら良いものができそうな気がする。今は別々のメーカーの技術なので同時に実現されることはないと思うが、実現可能なことは今回示されたわけなので、各社の努力によって将来的に両方の技術を搭載したPDPが開発されるかもしれない。