TV技術

3D映像の課題3 表現上の課題

前回と前々回で、3D映像の課題としてその原理的なものと、視差の調整に関わるものについて考えてみた。今回は3D映像の表現上の課題について考えてみる。 映画「アバター」の評判とか課題をネットで調べていたら、次のような意見を見かけた。 フィルムジャダ…

3D映像の課題2 立体感における違和感

前回のエントリで、3D映像の課題として、両眼視差を利用した立体映像の原理的な課題について考えてみた。今回は別の視点から、3D映像の立体感における違和感について考えてみる。 3D映像に感じる違和感 3D映像を見ていると、立体感は確かにあるのだがなにか…

3D映像の課題

3D映画「アバター」がヒットしたり、家庭用の3Dテレビが発売されたりと、3Dが一気に広がりはじめている。アバターのヒットの理由を以前考えてみたが、やはり3Dであることが重要な要素であり、それだけ3Dは注目されている。 3D映像の技術自体は昔からあるもの…

4倍速液晶テレビの本当の効果

テレビはコマ数が増えるとなめらかになる。 4倍速でコマ数4倍。 上のコピーはソニーの液晶テレビ「ブラビア」の4倍速搭載モデルのもの。4倍速って何?という疑問に簡潔に答えるコピーである。もっと詳しくは、こちらでも解説されている。4倍速は普通のテレビ…

シャープ液晶の新技術「UV2A」の何がすごいか

シャープ、コントラスト1.6倍の新液晶パネル技術「UV2A」 - AV Watch この間発表されたシャープの液晶の新技術「UV2A」についていろいろ調べたのでまとめてみた。 今までの液晶はどうなってたか シャープの液晶はVA方式の中でも、ASV方式というのを使ってい…

CELL REGZAの何がすごいか

「CELL REGZA」詳細仕様。新LED/超解像搭載の最上位TV - AV Watch 株式会社東芝は、メディアプロセッサ“Cell”を搭載した液晶テレビ「REGZA(レグザ)」のフラッグシップモデル「CELLレグザ 55X1」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価…

x.v.Color(xvYcc)が流行らない理由と、3D普及の条件

ソニー、3Dテレビを2010年に投入 VAIOやPS3も3D対応へ - ITmedia NEWS ソニーが3Dテレビを商品化するらしい。家庭で立体画像が見られる新しい技術なのだが、これ、今後普及していくのだろうか。新しい技術といえば、3年ほど前にx.v.Color(xvYcc)という色再…

テレビで本物に忠実な色を表示する仕組み

テレビというものはいろんな色を表示することができる。その色は、カメラで撮られた被写体の色と基本的に同じ。全く同じにするか、補正してもっときれいな色にするかはそのテレビしだい。 ここでは被写体の色に忠実な色をテレビに表示するための仕組みについ…

広色域ディスプレイのメリット、デメリット

以前に調べたように、近頃は色再現範囲を従来よりも拡大したテレビが多くなってきている。そもそも、こういう広色域ディスプレイのメリットは何なのか、ということをまとめてみる。 広色域ディスプレイとは 最近のテレビは各社とも色再現範囲を従来よりも広…

パイオニアがプラズマパネル生産から撤退するらしい

まだ正式発表ではないが、パイオニアがプラズマパネルの生産から撤退する方針らしい。「2008年にもパネルの自社生産を中止し、松下電器産業からパネル供給を受ける方針」との事。 このニュースにある、「自社技術を盛り込んだプラズマパネルの生産を松下に委…

蛍光管のバックライトで液晶テレビの色再現範囲を広げる方法

こちらでバックライトにRGB3色のLEDを使った液晶テレビや、光源にレーザーを使ったテレビで、色再現範囲が向上することを説明してみた。前回調べてみた結果によると、LEDを使った液晶の色再現範囲はかなり広くなることが分かる。 ところがそういうLEDを使っ…

色再現範囲に関するメーカーの取り組み

これまでテレビの色再現についていろいろと書いてきた。前回はLEDバックライトの液晶やレーザーを使ったテレビでなぜ色再現範囲が広がるかについても書いてみた。今回はテレビメーカーがそれぞれ広色域化についてどういうアプローチをとっているか調べてみた…

広色域ディスプレイが広色域な理由

最近発表された、広色域のディスプレイについて。 “超Adobe RGB”をうたう広色域液晶とは?――日本サムスン「SyncMaster XL」発表 (1/2) - ITmedia PC USER http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080215/mitsu.htm ひとつはサムスンの液晶モニタ。もうひ…

DCI規格の色域について

DCIの色域の規格のメモ 色 x y 白 0.314 0.351 R 0.68 0.32 G 0.265 0.69 B 0.15 0.06 白の色温度を計算すると6300Kになる。 ガンマは2.6。BT.709(sRGBと同じ)の色域と比べて、赤と緑方向の色域が広い。 DCIとは、Digital Cinema Initiatives の略。Disney…

「x.v.color対応」とか「xvYCC対応」の意味

x.v.color(xvYCC)がどういうものかは前回と前々回で説明した。今度はディスプレイ(テレビやPCモニタ)がx.v.color対応するとはどういうことかについて書いてみる。ただ、「何をもってx.v.color対応とみなすのか」のような情報は探しても見つけられなかっ…

x.v.colorとは結局どういうものなのか?の続き

前回のおさらい 前回の話をまとめると以下のような感じ BT.709とかsRGBとかadobe RGBなどの色空間とは、「実世界の色(を数値で表したもの)」と「デジタル画像上で色を表現する数値」との対応関係を1対1に定義するものである 色空間の色域はRGB三原色のxy色…

x.v.colorとは結局どういうものなのか?

色空間規格のsRGBやBT.709やadobe RGBなどは色域がきちんと定義されているので、それに対応したディスプレイがどのくらいの色再現範囲を持っているのかが分かりやすい。が、x.v.Color(xvYCC)対応ディスプレイというのは色域が明確に示されていないものが多…

色にこだわって薄型テレビを選ぶには

薄型テレビの選び方として画質を重視する人は多いと思う。画質の中でも「色」は見た目に分かりやすく、人による好みもいろいろなら、メーカーの目指すものもいろいろ。テレビを選ぶときの色についての考え方をまとめてみる。 テレビの目指す色再現は「対応す…

映像の製作者が求めるものとは?

THX認証を受けたシャープの液晶テレビ、アクオスTシリーズのレビュー的な記事があった。 シャープ初のTHX認定液晶テレビで「レミーのおいしいレストラン」の驚愕画質を味わう (1/2) - ITmedia NEWS THXとは、シャープの説明によると「映画制作者の意図した音…

放送規格などで使われる色空間

主な色空間規格の三原色と白色の色度点(xy色度図上の座標)のメモ ■sRGB PCやデジカメ、プリンタなどで広く使われている色空間。色温度は約6500K。ガンマは2.2を想定している。 色 x y 白 0.3127 0.3290 赤 0.64 0.33 緑 0.30 0.60 青 0.15 0.06 A Standard…

そもそもテレビの色再現性とはどういうものか?

以前テレビの色再現について書いてみたので、もう少し書いてみる。 最近テレビやPCモニタの宣伝で「色再現性が向上」という謳い文句を良く見る。これがどういう意味なのかを考えてみる。 そもそも色再現性とは何か? 色彩科学ハンドブックによると「色再現と…

プラズマ陣営ががんばってる

「2008 International CES」でプラズマテレビに関する新技術の発表が盛んに行われている。いろいろなところで記事になっているので、簡単にまとめてみる。詳細はリンク先の各記事を参照のこと。 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080108/ces09.htm …

テレビの色再現について

これとこれでテレビの色温度についていろいろ書いてみたので、こんどは色再現について書いてみる。 テレビの色再現というと、たいていはカメラで撮影した対象と同じ色をテレビ画面上に再現することを意味すると思う。色再現性の良いテレビとは、より撮影対象…

テレビの色温度の調整について

テレビの色温度の話。 このまえのエントリで日本のテレビの色温度が国際標準よりも高い理由について書いてみた。まあ、理由はともあれ色温度が国際標準と違うということは、国内のコンテンツを見る場合には問題ないけれど、海外で作られたコンテンツを見ると…

テレビの色温度の標準について

イマドキのテレビ、広色域技術の秘密 (1/3) - ITmedia NEWS 広色域のテレビに関する記事。この中でテレビの色温度についての話がある。日本のテレビの色温度は放送の基準として決められている6500Kではなく、9300Kが基準になっているとの事。放送用マスター…

240Hz駆動のFEDの目的

CEATECで見つけた3つの次世代トレンド (1/5) - ITmedia NEWS CEATEC2007のまとめのような記事。240Hz駆動のFEDについて以下のように書かれている。 高速駆動化は動画対策と思われがちですが、医療などプロフェッショナル用途向けにより精細な映像を出すこと…

クロマアップサンプリング

PanasonicのBDレコーダDMR-BW700/800/900には「クロマアップサンプリング」という機能がついているらしい。 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071106/bd3.htm クロマアップサンプリングとは何かについてはこのページで簡単に説明されているが、もう…

日立の超薄型液晶テレビ

日立からも超薄型液晶テレビの発売が発表された。42,37,32インチの3モデル。32型から小さい順に、12月中旬から順次発売されるらしい。CEATECで先に発表していたビクターよりも発売の時期が早い(ビクターは国内では2008年8月販売の予定)。 http://www.watch…

超薄型液晶の何がすごいのか?

CEATECで数社が展示していた超薄型液晶テレビ。実用的な壁掛けテレビとして使える可能性を持っていること、デザイン的に優れていること、超薄型を実現した技術力、などで注目されていると思われる。 ただ、PC用とか携帯電話の液晶モニタなんかは前からテレビ…

超薄型テレビの壁掛けについて

CEATECを見て分かるように、近頃テレビの薄型化が進行している。薄くなって何が嬉しいかと考えると、まずはデザイン的に良くなる事。もうひとつは壁掛けが実用的になる事。シャープのコンセプト展示にあったように、使い物になる壁掛けも実現可能なほどの薄…