超薄型テレビの壁掛けについて
CEATECを見て分かるように、近頃テレビの薄型化が進行している。薄くなって何が嬉しいかと考えると、まずはデザイン的に良くなる事。もうひとつは壁掛けが実用的になる事。シャープのコンセプト展示にあったように、使い物になる壁掛けも実現可能なほどの薄さになってきている。壁掛けがブレイクするかどうかを考えてみる。
現状のテレビは
- 厚さが10cm程度ある
- 壁掛け金具とあわせると20cmくらいになる
- 重い、壁が耐えられない
- 壁掛けにしても美しくない
http://allabout.co.jp/computer/av/closeup/CU20060405A/index.htm
“壁掛けテレビ”は絶滅寸前? - ITmedia NEWS
最新のテレビを見てると
- 液晶でも厚さ3cm以下と薄い
- 有機ELにいたっては3mm程度で、しかも軽い
- 視野角の問題も解決されつつある
これによって、見た目の美しさの課題はある程度解決できる。が、それでも実際に壁掛けするとなると、以下のような課題が依然としてある。
- 配線
- せっかく壁掛けテレビにしても電源、アンテナなどの配線が延びていると見た目汚い
- 動かせない
- 一度場所を決めたらもう動かせない
- 工事が必要
- 配線を壁に通すとか、壁掛け金具をつけるとか
- レコーダとか周辺機器はどこに置く?
- テレビの下では壁掛けにした意味がない
- 部屋の隅にでも置いた場合、やはり配線が問題になる
- 放熱は大丈夫なのか?
- 壁にぴったりつけておく必要があるので、効率的に放熱できない可能性もある
と考えると、壁掛けが実現するには少なくとも次のようなものが必要と考えられる。
- 配線の問題を解決する
- レコーダ等周辺機器の置き場を解決する
- 部屋の隅において、テレビとは無線なりPLCなりでつなぐ技術
- 周辺機器も壁掛け可能なほどの薄さにする
- 放熱を解決
- 発熱の少ないテレビを開発する
以上の技術があれば壁掛けブレイクにつながりそうではあるが、それでもまだ「工事が必要」な事と「動かせない」事は解決できない。そこまでするなら台置きでいい、という考え方も当然あるので、壁掛けはブレイクしそうにない、という気はする。
となると、超薄型テレビのメリットはデザインのみ、という事になるか。まあ、デザインがよくなるだけでも十分差別化の効果はあるので、やる意味は大きいのだろう。