プレゼン資料の作り方


学生でも社会人でも、何かしらプレゼンしたり、発表する機会があると思う。そういうときにパワーポイントで資料を作って発表に使うことが多い。このプレゼン資料の作り方と、発表のときの態度によって、内容の伝わりやすさや、アピールの効果がだいぶ違ってくる。

今回たまたま自分がプレゼンを行う機会があったので、プレゼンのときの発表資料の作り方や、発表時のノウハウなんかをまとめておきたいと思う。
発表時間が短い中でなるべくたくさんのことを言いたい、というときにも役立つノウハウになっていればいいな、と思いつつ。

全体の構成について

目次的なスライドは1時間とか長いときには必要だが、10分とか短いときには不要

よく発表のはじめにパワポ全体の目次のようなスライドをつけていることがあるが、あれは発表が長いときに、聞いている人に対してどのくらいの内容が説明されるのか?を知ってもらうためのもの。これによって聞く方がいつまで話が続くのか?と思わずに済む。
発表時間が10分とか短い場合はこういう目次スライドを入れても、時間がもったいないだけである。

後につながらない話はしない

発表を行うときはそのストーリーを考えるはず。たとえば研究発表なら、研究の背景とか動機に始まって、他の研究との比較とか位置づけとかを言った後に、従来の方法の説明をして、本題の自分の研究結果を説明、最後にまとめと今後の展開、という具合。で、基本的にこの流れに乗らない話はしないようにする。聞いている側が「あの話は何につながってるんだろう?」と思うようだとダメ。言いたいことと関係する話であっても、後の話につながっていかないことならそれは省いた方が良い。
つながりがそこで途切れるような話をしてしまうと、かえって全体の流れが分かりにくくなる。「あれ、さっきの話は結局関係ないの?」と、聞いてるほうが混乱する。

主張したいことは何かはっきりさせて、そこからぶれないように

その発表でいちばん言いたいことは何なのか?をはっきりさせる。そして、そのことだけにフォーカスして話を進めるようにする。言いたいことがいろいろあるのは分かるが、時間がない場合はすべて説明しているわけにもいかない。それに、話がぶれると聞いてるほうも「結局何が言いたいのか分からない」状態になってしまう。
また、言いたいことを絞ることで、発表者の信念や哲学が何なのかがはっきりするようになる。あれもやった、これもやった、それも大事、これも必要、というような発表だと、その人が何を重視して取り組んだのか?とかが見えないので、もどかしい感じになる。

同じような項目が何ページか続くときは、全部で何ページあるのか分かるようにしとく

たとえば自分のアイデアが全部で3つあって、それぞれスライド1枚使って説明するようなとき、個別の説明に入る前に全部で3つあることを聞き手に伝えておく。目次を作るのでなく、スライドのタイトルにアイデア1/3、アイデア2/3、アイデア3/3のように、全部で三つあるのが分かるように書いておくとか、最初に「全部で3つあるうちの一つ目は…」というように口頭で言う程度でいい。いつまでアイデアの話が続くかが分かりやすくて、聞き手が安心感を持てる。

聞いてるほうが面白くもないような話はしない。しても簡潔に終わらせる

聞き手が興味のないようなことはストーリーの中に入れない。入れても短く簡単に済ませる。面白くない話はたいてい説明上そんなに重要でないので、省いたって構わない。つまらない話は聞かされるほうもしんどいので、印象もよくない。つまらない話をするなら、そこはさくっと終わらせて、さっさと次にいくのがいい。

結果はインパクトが大事

結果や結論を伝えるときには、文章で伝えようとしてもいまいちインパクトが出ない。なるべく図(写真とかグラフとかイメージ図)を使って視覚に訴えた方がインパクトがあっていい。


スライドの作り方

スライド内の目立つところにそのスライドで言いたいことを1文にまとめて書いておく

分かりやすさのため、そのスライドで言いたいことを一番上か一番下の目立つところに書いておく。ここだけ見れば何が言いたいのかがつかめるように。ここだけを追っていけば全体のストーリーが分かるようになってるといい。
発表のときにも、自分でここを見れば何を言いたいのか思い出せるので便利。

スライドはなるべくシンプルに、どこを見れば良いのか簡単に分かるように

スライド内で見るところが多くなると、聞き手はどこを見て良いか分からなくなり混乱する。なので、図や言葉はなるべく少なめにして、スライドをシンプルにした方がいい。複数の図があるときは、いちばん見てもらいたいところをデザイン的に目立たせるようにする。聞き手がどこを見たらいいのかが分かりやすいようにするのがいい。
また、図をたくさん入れるということはそれだけ説明しなきゃいけないことが増えるということなので、発表時間が短いときには図は少なめの方が有利になる。

図をメインにする。1ページにメッセージと説明図ひとつだけで構成しても十分

説明は図を使った方が分かりやすい。文章の箇条書きが並んでるようだと、全部読まなきゃいけないので理解するのが大変。図を使って、言いたいことがビジュアルで分かるように、聞き手がイメージを描けるようにしてやらないといけない。
この点に関しては、こちらで紹介している本に詳しく書いてあるので、一度読んでおくのもいいと思う。

複数の図を入れる場合は、自分が説明する順番に左上から順に配置する

見るほうはたいてい左上から順番に見ていくものである。なので、説明図が複数あるなら、見て欲しい順番に左上からならべるとよい。説明するときも左上から順に説明していけばいいので、自分でしゃべる内容を思い出しやすくなる。

発表方法

勢いが重要

しゃべるときに声を大きめにして勢いをつけるのがよい。自信たっぷりに説明した方が聞いてるほうも納得しやすい。逆に、自信なさげに説明してしまうと、内容の信憑性を疑われてしまいかねない。そのくらい、発表の雰囲気というのは大事である。聞いてる側の気分にかかわるので、同じ内容をしゃべっていても与える印象が変わってしまう。

抑揚が必要

淡々としゃべってしまうとどこを一番聞いてほしいのか分からないし、眠くなってくる。しゃべるときには大事なところは強調するなど、抑揚をつけたほうが聞き手にも伝わりやすい。

説明している箇所を指示すると分かりやすくなる

しゃべりながらどこを説明しているのかを指示棒とかレーザーポインターで指し示しておく。これだけで、見るほうがどこを見たらいいかが分かりやすくなるので、内容を把握しやすくなる。図や文字が多めになってしまったスライドで特に有効。

次のスライドに移行するときに一言入れる

次のスライドに移動するときに、ストーリーのつながりを意識させるような一言を入れるとよい。これによって流れが分かりやすくなって、内容も頭に入りやすくなる。

まとめ

自己流のところが多々あるので、異論はいろいろあるかと思うw
まあ基本的に「聞き手の気持ちを考えた発表資料、発表方法」を意識するといい、ということが言えると思う。何のためのプレゼンかを考えるとそれは「聞き手に何か伝えるため」なので、聞き手が分かりやすいように、よい印象をもってくれるように発表を行うのがいいんだと思う。

また、発表時間が短いとどうしてもいろいろなことを詰め込んでしまい時間が足りなかったり、無理やり時間内に収めようとして早口でしゃべってしまい分かりにくくなる、ということがありがち。そういうことを防ぐためにも、今回のようなノウハウを活かしていければよいのではなかろうか、と思う。




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