ブルーレイディスクが伸び悩んでる本当の理由

ブルーレイの普及があまり進んでいないらしい。

http://eigakan.blog6.fc2.com/blog-entry-2555.html
上のリンク先は「普及しないからって安売りして、安かろう悪かろうになってもいいのか?」という趣旨の記事。ブルーレイの普及率を上げるためにハードを安売りすることで、質の悪い製品ばかりになるのは確かにいい事とは言えない。


ところで気になったのは、「BDが普及しないのは、VHSに対するLDみたいなものだから」、というブコメにある考え。それって本当だろうか?
この考えの根底にあるのは、「BDのメリットは画質だけ」ということだろう。たしかにVHSとLDとを比べると、画質は良くなったがそれ以外にメリットはなかったように思う。一方、DVDはVHSに比べて画質が良くなっただけでなく、小さくなったので扱いやすくなったというメリットがあった。こう考えると、画質が良くなるだけでは一般ユーザーはついてこない、ということになるので、「BDはLDと似てる」という考えも納得できる。


ただ、BDの場合にはLDが出てきた頃とはちょっと状況が違うと思う。LDはそれ単体で出てきたが、BDの場合はデジタル放送の開始と薄型TVの普及と時期が重なってるのである。つまり、映像を映す側であるテレビと、普段それで見る放送とがともにハイビジョン化しているのだ。


VHSとLDを比べた場合、表示するテレビは同じだったので画質が良くなったといっても分かる人にしか分からない、という面があったと思う。画質にあまり興味のない人ならなおさらそうだっただろう。
一方DVDというのは、画質的にハイビジョン化したテレビのスペックに追いついてない。DVDの映像は720×480画素。テレビの解像度はフルHDの場合1920×1080画素。DVDの解像度がテレビに対して全然足りてないのである。
また、放送もハイビジョン化しているということは、普段からハイビジョンの高精細な映像を見慣れることになる。そういう状態でDVDの映像を見ると、普段の放送に比べてもボケボケで精細感がぜんぜんない、と感じられるだろう。フルHDのテレビにDVDの映像を映すと、ハイビジョンの映像と比べてぼやけて見えるのがはっきり分かるはずなのだ。それこそ、テレビがハイビジョンだったらブルーレイじゃないともったいないのである。


というわけで、BDのメリットはLD同様「画質が良くなっただけ」かもしれないが、その画質の向上をはっきり感じ取れるかどうか、という「ユーザーにとってのメリットが分かりやすくなっている」状況だという点で、LDとは異なっているように思う。


じゃあ、どうして伸び悩んでるのか?

タイトルで本当の理由とか言っておきながら単なる仮説でしかないけれど、ひとつ思ってるのは「みんなDVDレコーダ買ったばっかりなんじゃないの?」ということ。
BDが登場してからまだ数年しかたってないわけだが、DVDだって普及しだしてからそんなに時間経ってない。数年前にDVDレコーダー買いました、という人が多いのだと思う。DVDレコーダを買った数年後にBDレコーダが出てきて、いくら画質が良くなったと言われても、すぐにまた買い換える人も少ないでしょう。
つまり、BDの普及がなかなか進まないとすれば、その原因は「DVDレコーダ買ったばかりだからBDレコーダ買う気になれない」ということじゃなかろうか。
なので、今はBDの普及が進んでないけど、放っておけばそのうち普及するでしょ、という楽観的な考えでもいいんじゃないかな、と思うのですよ。逆に値段を下げたからって急に普及が進むこともないわけで、やはり値下げはあまりいい戦略とはいえないんじゃなかろうか。それでもどこか1社が値下げに走ったら、他もそれに追従せざるを得ないんだろうけれど。

ところで、最近のBlu-rayレコーダー安くなったな、とつくづく思う。10万円切ってるのも普通にあるのね。




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