パイオニアがプラズマパネル生産から撤退するらしい

まだ正式発表ではないが、パイオニアがプラズマパネルの生産から撤退する方針らしい。「2008年にもパネルの自社生産を中止し、松下電器産業からパネル供給を受ける方針」との事。

このニュースにある、「自社技術を盛り込んだプラズマパネルの生産を松下に委託し、自社は組み立てに特化する方向」というのが気になる。パイオニアの技術を松下に譲渡して製造してもらうということだろうか？
パネルの技術はディスプレイのもっとも重要な部分だと思うのだが、それを他社に渡してでも生産委託するほうがメリットがあるということだろうか。

パイオニアのwebサイトによると、パイオニアのプラズマテレビ「KURO」の特徴である高コントラストは、高純度クリスタル層というものによって実現されている。パイオニアの技術を盛り込んだパネルを松下に生産させる、ということは、この高純度クリスタル層の技術を松下に渡すということになるのか。

もしそうなら、パイオニアの技術がパナソニックのプラズマテレビにも使われる可能性があるかもしれない。また逆に、松下の技術がパイオニアのプラズマテレビに使われる可能性もある。パイオニアが松下からパネルを調達することになれば、たぶん同じパネルを両社で使うことになるだろうから。コストのことを考えると、あえて松下用、パイオニア用で違うパネルを生産したりはしないだろう。細かな違いはあるだろうけど。
そうなると、今年のCESで発表されたパイオニアとパナソニックの次世代PDP技術が統合されて、予備発光ゼロの超高コントラストで超薄型で消費電力が従来比半分のプラズマテレビが誕生、なんて事があるかもしれない。そのうちそういうプラズマテレビが出てくるんじゃないか、と思っていたが、だいぶ早く現実になったりするかもしれない。
もしほんとにそうなれば、SEDの実用化が遠のき、有機ELの大型化はまだ先になりそうな状況で、なかなか期待の持てる話じゃないかと思う。

「撤退」というニュースの割に、あまりネガティブな印象は受けない、そんな感じだ。