クロマアップサンプリング

PanasonicのBDレコーダDMR-BW700/800/900には「クロマアップサンプリング」という機能がついているらしい。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071106/bd3.htm
クロマアップサンプリングとは何かについてはこのページで簡単に説明されているが、もう少し調べてみた。


デジタル放送やDVDなどでの色情報の扱い方

上のページによると

  • デジタル放送は市販映像ディスクでは、RGBではなく輝度と色信号を分離したYUVで映像が記録されている
  • データ量を削減するために、色信号を削減している
  • 人間の目は色情報には鈍感で多少の情報欠落があっても解像感が失われないため、色信号を削減しても画質劣化を感じにくい

との事。では「色信号の削減」というのが具体的にどういうことかというと、

  • もともとは映像のすべての画素が輝度情報と色情報を持っている(4:4:4)
  • データ削減のため、色信号は水平に隣り合う2画素でひとつしか持たないことにする(4:2:2)。これで色信号が半分に削減できる
  • さらに削減のために、水平2×垂直2の4画素でひとつの色信号を持つことにする(4:2:0)。こうすると色信号が1/4まで削減できる

というように、「色信号の削減」とはようするに、色信号の画素を間引いてしまうことを意味する。間引いた分だけ色信号が削減される。
カラーフォーマットについての情報
カラーフォーマットのナゾ


色信号を削減するとどうなるか

  • データ量が削減できる
    • デジタル放送やDVDなどで、限られた容量に映像を収めないといけない場合に助かる。同じ時間の映像をより少ないデータ量で記録できるから
  • 色の解像度が落ちる
    • 色信号が間引かれているので、輪郭はシャープなのに色だけぼやけているようになる。色がにじんでるように見える


削減した色信号をどうやってもとに戻す方法

元に戻す方法がクロマアップサンプリング。

  • 間引いた色信号を復元する=画像の拡大と同じ処理
    • クロマ(色)情報をべた塗りで単純補完する手法=最近傍近似の事と思われる
    • 2タップのクロマアップサンプリング処理=2点間の線形補間の事かと思われる
    • 画像拡大のアルゴリズムと同様に、タップ数を増やすなど、補間精度の良いアルゴリズムを用いるほど画質が良くなる

というわけで、PanasonicのBDレコーダDMR-BW700/800/900は、色信号の補間アルゴリズムが優れている=線形補間なんかよりもいいアルゴリズムを使ってますよ、ということか。

「BDビデオソフトの再生時のみにしか働かない」というのが残念だが。