日立の超薄型液晶テレビ


日立からも超薄型液晶テレビの発売が発表された。42,37,32インチの3モデル。32型から小さい順に、12月中旬から順次発売されるらしい。CEATECで先に発表していたビクターよりも発売の時期が早い(ビクターは国内では2008年8月販売の予定)。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071023/hitachi1.htm
日立、厚さ35ミリの超薄型液晶テレビ“Wooo”「UTシリーズ」を発表 (1/2) - ITmedia NEWS

壁掛けが現実的になりつつある

注目なのは、別売りだがワイヤレスユニットが発売されること。チューナーユニットからディスプレイ部まで無線で映像を伝送できるため、テレビを壁掛けするときの配線の問題が解決する。

配線をどうするかが解決しないと壁掛けは流行らないだろうと思っていたが、ワイヤレスで映像を送れる製品が登場したことで壁掛けブレイクに一歩近づいた、かもしれない。

液晶パネルはIPSなので視野角にも問題ないし、放熱の問題も大型サーバー向けの技術を用いることで解決されている。壁掛けに対する障害はだいぶ薄くなったように思う。
惜しいのは、無線伝送すると若干画質が落ちること。再圧縮なしで画質劣化なしでも送れるようになれば言うことないのだが。

薄型実現の方法

パネルのバックライトはCCFLを用い、新方式の拡散板を採用して液晶パネルとバックライトの距離を近づけることで薄型のパネルを実現したとの事。これはビクターの超薄型液晶テレビと同じ方法。同じ時期に発表してきことから、たしもしかしたら同じメーカーから調達した拡散板を使っているとかいうこともありえるかもしれない。純粋に別々に開発してたら同じ結論に至ったということかもしれないが。

チューナーユニットが外付けな点はビクターとは異なる。外付けにしたことでディスプレイ部は必要最低限の部品で済むので、ビクターのよりも薄型に有利。薄さ競争の観点で見ればちょっとずるい気もする。が、壁掛けを狙っているのならむしろチューナーユニット外付けは正しい方向だと思う。

37インチと32インチはIPSアルファ製だが、42インチは外部調達らしい。ちなみにこの42インチのパネルはLG製ではなかろうかと思われる(単なる予想)。IPS方式のパネルで外部調達ということは、LGが有力ではないかと。少し前に42インチの厚さ19.8mmというパネルを発表しているし。LGの薄型42インチパネルについては以下のリンク参照。
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/10/19/001/index.html

壁掛けブレイクする?

ワイヤレスユニットに対応したことで薄型テレビを壁掛けするための障壁がだいぶ小さくなったのでは?と思う。別売りでなくデフォルトで無線伝送する方式ならいっそう良かったと思うが、無線だといろいろ難しいのかもしれない。無線ではなく有線となればPLCを使う手も考えられる。電源ケーブルはどうしても省けないので、そこに映像を流すことでその他の配線を省く事ができて良いのではなかろうか。もしかしたらシャープあたりがやってくるかもしれない。


※参考:ビクターの超薄型液晶テレビ
ビクターは一足先に「次世代液晶」 - ITmedia NEWS