ミニチュア風写真のまとめ

実物の建物や風景の写真を、ミニチュアを撮影したかのように撮影する方法がある。逆ティルト撮影と呼ばれているようで、なかなか面白い写真が取れる。どういうものか調べてみたので、そのまとめ。

どんな写真が撮れる?

作例としては以下のサイトの写真のようになる。

動画もあったりする。

これらのように、超精密に作られたミニチュアのような変わった写真になる。3つめのリンク先の動画は、まるで鉄道模型のようだけれど、ちゃんとした実写である。

どうやって撮るのか?

こういう写真を撮ることを、「逆ティルト撮影」というらしい。

カメラのレンズの一種にティルトレンズというものがある。これを使うと、カメラ本体に対してレンズを傾けることが出来る。レンズが傾くことで、被写界深度を調整できるらしい。
一般的には、被写界深度を深く調整して、遠いところと近いところの両方にピントがあった状態(パンフォーカス)にして撮影するためのものと思われる。
逆に、被写界深度が浅くなるように調整して、わざとピントの合う範囲を狭くする手法が逆ティルト撮影、と言われているのだと思う。

ティルト撮影でピントの合う範囲がどうなるかは、次のサイトが分かりやすい。

おそらく、ただ逆ティルトで撮っただけではあまりミニチュアっぽく見えないと思う。色の彩度を上げるとかの加工、修正を加えたほうが、よりミニチュアっぽくなるだろう。

普通に撮った写真を加工して、逆ティルト撮影っぽく修正する方法

上記のようなミニチュアっぽい写真を撮るには、ティルトレンズが必要。(もちろんそれが付けられるカメラも必要。)ティルトレンズがない場合でも、根性でレンズを傾けて撮る方法もあるらしい。先のリンク先参照。
そういうカメラやレンズを持っていない場合は、普通の写真を加工して、逆ティルト撮影したっぽい画像を作る方法もある。

下のリンク先では、photoshopでの詳しい加工方法が紹介されている。が、ちょっと難しいのと、Photoshop Elementsだとできない方法なのが残念。

修正をもっと簡単に

先のサイトの説明を参考に、自分なりにPhotoshop Elementsでもできる方法を考えてみた。
ポイントは以下のとおり。

  • 「画質調整」→「カラー」→「色相・彩度」で、彩度をかなり高めにする
  • 「フィルタ」→「ぼかし」→「ガウス」と「フィルタ」→「シャープ」→「アンシャープマスク」を使って、ディテールをぼかして消しつつ、輪郭を強調させる
  • メインの被写体を中心に、周囲を楕円形にぼかす。メインの被写体から遠くなるほど、ぼかし具合を強くする

被写体から離れるほどぼかし具合を強くするのは、逆ティルト撮影のような被写界深度を擬似的に再現するため。Photoshop Elementsだと直接はできないので、ちょっと工夫が必要。まず、被写体を中心としてだいぶ大きめに楕円形の選択範囲を作り、選択範囲を反転してから、ガウスぼかしでかなり強めにぼかす。それから、先ほどより少し小さめに楕円形の選択範囲を作り、選択範囲を反転し、ガウスぼかしを先ほどより弱めにかけてぼかす。これを繰り返して、被写体から離れるほどぼけが強くなるような加工を施すことができる。
簡易的なやり方なので、よく見るとぼけてないところとぼけてるところの境界が分かってしまうが、ぱっと見では分からない程度にできていると思う。

楕円形の選択範囲を作るときに、被写界深度を意識してやるとうまくいきやすい。被写体の手前にあるものと、被写体より奥にあるものが両方ともぼけるようにすると、被写界深度の狭くなったような画像になる。ぼかさずに残す範囲が、なるべく被写体と同じくらいの奥行きにある物体だけを含むように、楕円の形を調整するといい。

あとは、よりミニチュアっぽく見えるように、色や階調を調整してやれば出来上がり。


どんな写真かによってミニチュアっぽく見える効果が変わるようで、高いところから見下ろしてるような写真のほうが効果が高いように思う。


実際にこの方法で作ってみた画像はこちら



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