パソコンを静かにしよう計画2

前回の計画でファンコンを導入したので、ある程度PCを静かにする事はできた。けれど、ケースファンの回転数を落としたせいでケース内の風量が減少したためか、CPU温度が若干高くなってしまった。CPU温度が高いとCPUファンの回転数が上がりやすくなるので、せっかく減らした騒音が元通り、ということにもなりかねない。そこでCPUの温度を下げる=CPUの消費電力を減らすことを考えた。CPUの熱は消費電力が大きいほど高くなるので。

CPUの消費電力は(クロック数×電圧の2乗)に比例するそうだ(同じCPUで比べた場合の話)。なので、クロックを下げるか、CPUの電圧を下げれば消費電力を下げることができる。消費電力が下がれば発熱も下がる。そうすればファンの回転数も下がる。さらに電気代も少しは下がるかもしれない。(゚д゚)ウマーなのだ。

ちなみに、同じCPUなら処理速度はクロックに依存するのであって電圧とは直接関係はない。けれど、クロックを高くするためには電圧も高くする必要がある。クロックが高いということはCPU内部のトランジスタを高速に動かす必要がある。トランジスタを高速で動かす場合、電圧を高くしないと電気信号の波形がなまってしまって正常な動作ができなくなる。なのでクロックを高くするためには同時に電圧も高くしないといけない。逆にクロックを下げるのなら電圧を低くすることができる(という知識をどこで入手したか失念。大学時代の講義だったっけ? しかもうろ覚えw)。

というわけで、CPUの消費電力を減らすためにはクロックを下げるか電圧を下げるかすればいい。これを実現するのにいちばん簡単なのは、Athlon64 X2の機能であるCool'n'Quietを使うこと。これを使えばCPU負荷に応じて自動的にクロックと電圧を変えてくれる。負荷が小さいときは低クロック低電圧で消費電力を減らし、負荷が高いときは高クロック高電圧で処理速度を優先させる、という処理を自動的にやってもらえるので便利。でも、ウチの環境ではCool'n'Quietを使うとPCでのTV録画ができなくなるので、Cool'n'Quietは使用不可能…。なので、Cool'n'Quietで自動的にクロックや電圧を変えるのはあきらめて、電圧とクロックを固定で運用することにする。

まず、CPU電圧とクロックをどこまで下げられるかを調べる。そのためにCrystalCPUIDというソフトを使うことにする。これを使うとソフトからCPU電圧やクロックを変更することができる(マザーボードが対応してればだけど)。ちなみに、Cool'n'Quietと同じように負荷に応じて自動でクロックと電圧を変える機能もあるけど、それを使うとやっぱりTV録画ができなくなるのでその機能は使わない。

で、まず電圧はそのままでクロックだけ下げてみた。通常2.2GHzのCPUクロックを1Ghzまで下げてみた。CPU温度は下がったものの処理速度が下がっているのでウィンドウ表示がもたついたりする。せっかく速いCPUを使っているのにクロックを下げるのはもったいない、ということでクロックを下げるのは却下。

次にクロックをそのままにして電圧を下げてみた。通常1.35Vの電圧を0.025V刻みで下げていきながら、午後のこ〜だの午後ベンチ(10分耐久)*1で正常動作するかどうかテストしていった。電圧を1.1VにしたときにPCがフリーズ。どうやら1.1VがこのCPUの限界らしい。なので、少し余裕を見て1.175Vに設定して運用することにする。CrystalCPUIDでは電圧とクロック設定を変更するためのショートカットを作れるので、それをスタートアップに入れておけばwindows起動時に電圧を変更することができる。けれども、よく考えれば使ってるマザーボードBIOS設定でCPUの電圧が変えられることに気づいた。せっかくなのでBIOSの設定でCPU温度を1.175Vに設定して使うことにする。これならwindows起動してなくても設定有効になるし。

ひとつ注意が必要だったのは、BIOS設定でCool'n'Quietをオフにしておかないと電圧の変更が正しく反映されないこと。これをやらないとスタンバイから復帰したときに電圧がデフォルト設定の1.35Vに戻ってしまう。これはCrystalCPUIDを使った場合でもBIOS設定で電圧変更した場合でも同じ。さらに、BIOS設定で電圧を変えた場合は最初にwindowsが起動した時点で電圧がデフォルトに戻されてしまう。電圧を変えて運用するならBIOS設定でCool'n'Quietをオフにしておかないとダメみたい。

結局、電圧を下げた効果として、デフォルト状態で午後べんち10分耐久を実行したときにはCPU温度が52℃まで上昇したものが、1.175Vでは46℃までにとどまった。騒音に関しては静かになったのかどうかよくは分からないものの、CPUファン回転数は下がっているのでOKでしょう。消費電力が下がって地球にも優しいに違いない(笑)


書き忘れていたけれど、ウチのPCの構成はこちらに。CrystalCPUIDはここCrystal Dew Worldからダウンロード。使い方についてはこちらhttp://www.marbacka.net/asm64/arkiv/crystalcpuid.htmldfltweb1.onamae.com – このドメインはお名前.comで取得されています。を参考にさせていただきました〜。
それから、電圧がどこまで下げられるかはCPUの個体差があるらしいので、もし自分もやってみようという方がいましたら、実際に電圧を少しずつ下げながら限界を探していくことをお勧めします。電圧を下げる分にはCPUが壊れることはないと思います。ちゃんと動かなかった場合は電圧を元に戻せばOKです。でも、やる場合はもちろん自己責任でね(笑)

*1:午後のこ〜だ(フリーのmp3エンコーダ)の機能のひとつ。デュアルコアのCPUにも対応していて、両方のコアにきちんと負荷がかかる。