宇宙戦争

ネタバレ注意です。


DVDで映画「宇宙戦争」を観た。この映画のテーマとか、話の流れとか、なんて都合のいいラストシーンなんだっ、とかそんなことは置いとくとして(笑)

印象的だったのは、侵略してきた宇宙人?が地球の微生物のせいでやられたっていう設定。考えてみると、なかなか興味深い。
地球には地球の生態系がある。それは地球に生命が誕生してから何十億年かけて育ってきたもので、膨大な数の生き物達が長い時間をかけて共生したり捕食したりしながら出来上がっているひとつのシステム。このなかに、あるとき突然宇宙人という「異物」が侵入してきたら、生態系はその異物に対してどういう反応をするのか? この映画の中では、宇宙人は地球の微生物によって滅ぼされるんだけども。
たとえば、人間が他の微生物に囲まれながらも地球で生きていられるのは、人間も地球の生態系の中で生まれて進化してきたものだから。生態系の中で進化してきたということはつまり、他の生き物達(微生物も含む)と折り合いをつけながら生態系の中での人間の居場所のようなものを見つけてきた、ということ。だから、人間の身近にいる程度の細菌やらウィルスやらと接しても、病気になることはあってもすぐ死ぬまではいかない。人間まで至る進化の結果そういうふうに出来上がったわけだから。(人間に限らず、いま地球にいる生き物はみんなそうだといえる。)
じゃ、宇宙人は?というと、地球で進化してきたわけではないから当然地球の生態系にはなじまない。だから、そこらの微生物に接しただけで致命傷になる可能性も高いんだろうと思う。実際に宇宙人が地球にやってきたとしても、やっぱり映画と同じようにすぐ死んでしまうんじゃなかろうか。(宇宙服を着るとか対処すればべつだろうけども。)
もしそうだとすると、これが生態系の持っている「免疫」に見えなくもない。「異物」は排除するという仕組みが地球の生態系には自然と備わっているような。
なら、もし他の星で生物が見つかったとして、その星ではそこの生態系があるわけで、そこに人間が入ったらやっぱり排除されてしまうのかも。もしもどこかの星で生物が見つかったら、世紀の発見ではあるだろうけど、単純に喜んでられないような。そこには人間の居場所はないわけで、きっと共生は不可能なんじゃなかろうか。

…なんてことを「宇宙戦争」を観て思った。我ながら変なことを考えてると思う(笑)