放送規格などで使われる色空間


主な色空間規格の三原色と白色の色度点(xy色度図上の座標)のメモ

■sRGB

  • PCやデジカメ、プリンタなどで広く使われている色空間。色温度は約6500K。ガンマは2.2を想定している。
x y
0.3127 0.3290
0.64 0.33
0.30 0.60
0.15 0.06

A Standard Default Color Space for the Internet - sRGB

NTSC

  • 日本やアメリカのテレビ放送規格で使われる色空間。色温度は約6780K。ただし日本では9300Kに設定されている。ガンマは2.2を想定。
x y
0.310 0.316
0.67 0.33
0.21 0.71
0.14 0.08

色彩科学ハンドブックより

■PAL(EBU)

  • ヨーロッパ(フランス除く)やオーストラリア、アジアで採用されているテレビの放送規格の色空間。色温度は約6500K。ガンマはPALだと2.8、EBUだと2.4らしい(色彩科学ハンドブックより)。
x y
0.313 0.329
0.64 0.33
0.29 0.60
0.15 0.06

色彩科学ハンドブックより

HDTV(CCIR)

  • ハイビジョン放送の規格(ITU-R BT.709)で使われる色空間。色温度は約6500K。色空間としてはsRGBと同じ。
x y
0.3127 0.329
0.64 0.33
0.30 0.60
0.15 0.06

色彩科学ハンドブックより

Adobe RGB

  • Adobeが提唱している色空間規格。sRGBより色域がずっと広い。DTPなどで使われる。
x y
0.313 0.329
0.64 0.33
0.21 0.71
0.15 0.06

拡張色空間の国際標準化動向と 広色域ディスプレイ


色空間の名前としてはsRGBとAdobe RGB以外はちょっとあいまい。NTSCとかPALとかITU-R BT.709というのは放送規格の名前であって、色空間の名前ではないかも。

xvYCC(x.v.Color)は色空間の規格とはちょっと違うような気がするので省略。



基本的には、映像や画像を扱う機器をすべて同じ色空間に準拠したものに統一すれば、すべての機器で同じ色再現が実現できる。たとえば、sRGB準拠のデジカメで取った写真をPCに取り込んで、sRGB準拠のモニタに表示すれば正しい色で画像を表示できる。また、その写真をsRGB準拠のプリンタで印刷すれば正しい色で印刷できる。ただ、機器によって扱える色域の実力が異なるので、完全に同じ色が再現できるとはかぎらない。


色空間とか色域とか色再現範囲とか、似たような言葉がいくつかあってややこしい。「色再現範囲」はディスプレイやカメラがCIE色度図上でどのくらい広い範囲の色を扱えるかという性能を言うときの言葉。「色空間」は、色を信号で表すと3次元のデータになるが、これをどういう空間で表現するかを言うときの言葉。「色域」は単にCIE色度図上での色の範囲のことを言う言葉。ではなかろうか。






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